毎日の晴天で乾燥が激しい今日この頃。
標本制作したものを上げたりしているが

展脚上がりのゲンゴロウを紹介

近年の貴重なフチドリゲンゴロウのオスだが標本を作る前は画像のように紋が油シミで
全体的に汚い状態。半年間位アセトンに浸け込まれていてもこの状態で
フチグロゲンゴロウとまで言う人もいて残念な状態だった笑。
トラップ採集では死んでしまうと、油をたっぷりと含んだ状態になるので色が最悪になる。

そこで色抜きととして手間なしブライトと中身の油処理をした。
たまたま処理をした際に高熱を出してしまい展脚時に手が震えて触覚を飛ばしたのが
残念。。。というのも色抜き処理は時間をかけ過ぎると標本が脆くなり、色も
おかしくなる場合があるので加減と迅速な処理が必要。特にゲンゴロウは触覚が
非常に脆く本来ならばこのような手法はとるべきではないかもしれない。

元の状態が悪いので劇的とまではいかないが、フチの黄色いラインはハッキリとでて全体的に綺麗になった。


ゴライアスなどの大型ハナムグリやテナガコガネには特に有効で多少の染みや色の悪い部位を
綺麗に出来ることが多い。さらにこだわる場合は、腹部を切開して油染みの原因となる内臓を
取り出して処理するとなお良い。


ゲンゴロウやハンミョウなど肉食昆虫は一週間ほど採集時に生かしてから薬品処理したほうが
手間でも美しい標本が作れる。水蘚などを敷いたプリンカップやタッパーで生かすことにより余計な油分が
排出されて状態良く標本をたもつことができるので。

このナミゲンは標本作成してから2年ほどたつが、アセトンにもつけることなくこの状態を
保っている。もちろん多少、油が出てきて色が悪くなっているが。。。
ハンミョウやゲンゴロウはついつい沢山採集してしまいがちだが、少数精鋭で処理できる数だけ
採集して綺麗な標本を作りたいものです。